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夏到来!

先ほどパリに住んでいる友人元気かな、と思い彼女のブログを覗いてみたら、パリも猛暑だそう。でも、ロンドンも負けてませんよ! 連日30度を越す陽気ですが、もともと夏でも涼しい国だったイギリスにはほとんどのコンサート会場はもとより地下鉄にも銀行まで冷房設備というものがありません。こういう時涼しくなりたかったら大手デパートにでも行くか、仕事なんてさっさと諦め公園に日光浴にでも行くしかありません。幸いちょうどこの1週間の仕事はほとんどがレコーディングで、スタジオはさすがに密閉空間なので冷暖房施設が整っているためスタジオ内では極楽極楽でしたが、外に出て地下鉄に乗ったりしようものならそこはいきなり摂氏45度の地獄。ただでさえ暑いのに皆様の体臭でよけい暑さが増す電車内。みんなホント、臭っさぁ。。。それでも、日本とちがって夕方過ぎると気温が下がってきて涼しくなります。昼間のうだるような暑さの中で仕事をして疲れきっていても、帰ってきて”魔法のヨガ”をすると、あーら不思議。すっかり私の身体は息を吹き返します。その後の夕食はやはり日本食。こういう季節の日本食のおいしさは身にしみます。。。!

5月に新天地を求めロンドンに引っ越してきて以来どこに行っても何を見ても”ロンドンイカしとる!”を連発しているMちゃんと、先日”幸せとはなんぞや”ということを話しましたが、大きな幸せってありソでなさソ。。。なんじゃない?ということ。確かに。。。なんて、私は個人的にはいわゆる大きな幸せ(サクセス?)というものを経験したことがないのでその実態は明らかではありませんが、なんとなくそうなんだろうな、と思います。何が幸せって、今日もみんなと仲良く楽しく仕事が出来て幸せ、練習が満足に出来て幸せ、勉強のために聴いていたバッハのCDで和音の進行があまりにも素晴らしくて感動して幸せ、ヨガやって元気になって幸せ、良い友達、仲間がいて幸せ、夕食に食べたざるそばが美味しくて幸せ、そして今これを書きながら窓から吹いてくる夜風が気持ちよくてシアワセ。。。小さなしあわせ大きなしあわせ。

# by shinko_hanaoka | 2009-07-05 07:19  

お宅拝見

先週は昼間レコーディング、夜はロイヤルアルバートホールでミュージカル”王様と私”、それに加えて野外コンサートと、バラエティーに富んだ仕事でした。って、いつもバラエティにだけは事欠かないけれど。

その合間をぬって、同僚や友人の家を何軒か”お宅拝見”に行ってきました。というのは、3ヶ月前に引っ越した現在の家が努力の甲斐なくとんでもない状況で、すっかり賃貸に嫌気がさしてきている私。それ以前に9年ほど住んだ場所があらゆる面であまりに恵まれていたため、周囲のアドバイスをよそにそんなことは頭にも過りませんでしたが、この3ヶ月の苦労(?!)はいわば、wake up call。”そろそろ自分の家を買う時期かも。。。”とこの遊牧民みたいな私が感じるようになったのです。こちらの人の不動産購入に対する感覚は日本人とちがって、皆若いときに家を買います。むしろ私のような歳でpropertyを持っていないことはおろか、propertyを買おうとさえ思わないことの方が稀で今までも皆に”なんで家買わないの?”と言われ続けてきました。とはいえ、現実的には私の大好きなハイドパーク近辺には手が届くはずもなく、前から一度見に来い、と言われていたものの興味が湧かず先延ばしにしていた南ロンドンを訪れてみたのです。河(テームズ)を超えるということは、中心地にしか住んだことのない私にとってはほとんど外国に行くみたいな気分で、おっかなびっくりビクトリア駅からBR(British Rail)に乗ること15分。地下鉄は通っていないものの、場所を選べばかなり交通の便も良いことを実感。中心地からたったの15分なのに、森の中にある駅を出ると、感じの良い郊外の町並み。ロンドンって河の北側と南側では全然エネルギーの種類が違うんだわ、と思いました。すっかり遠足気分になった私がその日訪れた同僚宅4軒。その中の1軒があるエリアは場所も住宅もとってもオープンで明るく、すっかり気に入りました。南ロンドンを初めてみた私にとっては全く期待していなかっただけに目からウロコ。

しかしその数日後、また物件探しの一環で訪れたグロースターロード(ロイヤルアルバートホール近くのロンドンの中で私の一番好きな場所)に行くと”やっぱりここは最高だわ。。。”と思い南ロンドンへの想いが遠のきかけたものの、私としてはハイドパーク周辺で感じるようなupliftingな気分を他の場所でも自分が感じることができることを知ったのは大きな発見。この秋は9月半ばから11月半ばまで日本ですが、日本から帰ってきたら、家探し、頑張るぞ! 来年あたりにはもしかしたら私もいっぱしの家持ち娘になっているかも?!

そんな一週間の間にあのマイケルジャクソン死亡のニュース。数年前に彼のテレビドキュメンタリー番組を見た時、この人は並み外れた純粋な魂を持ってるんだろうな、と思いました。今日の新聞には彼の生前のいくつかの言葉、というのが載っていましたが、その中に”僕が両親から教わったことは、他人を尊重すること。それから何をするにしてもベストを尽くすこと。そして選んだ道で一番になること。2番ではなく1番になること。” あぁでもこれってすごくシンドイ生き方。彼はご両親の教えを守ってずっと一番だったけれど、その人生はとてつもなくハードだったんだろうな。。。

そんな新聞記事を傍目に、私はこれから今日で最後の"Shall we dance♪"!

# by shinko_hanaoka | 2009-06-29 05:29  

Fledermaus

今週はヨハンシュトラウスのオペラ(というか、オペレッタ? ダイアローグが多くてオペラと言うよりどちらかというと演劇に近いので)、Fledermausをやっていました。オペラファンの方々には怒られそうですが、オペラは聴くのも、弾くのもあまり興味を持てないワタクシ。と言っても音楽的に充実しているワーグナーやリヒャルトシュトラウスなんかは弾いていて楽しいですが。今回はヨハンシュトラウス。特に歌手が入らないオケだけのリハーサルのときは、ウィンナーワルツとポルカのオンパレードみたいで、どう頑張っても注意散漫になって集中力が続かないで困りました。そのくせ、オペラは我々はたいしたこと弾いていないのにテンポチェンジが激しかったりで気が抜けません。そんな私的には”つまらない”モードでしたが、歌手が入ったら、なかなかエンターテイメント性があって面白かったです。

それにしても、オペラ歌手って芸達者だわ。私は同じ音楽家だけれど、演技はできないもんね、それもあんなに上手に。夫婦がそれぞれ浮気をしてその一騒動コメディ、というたわいもない筋書きに、このたわいもない音楽、内容的にどうというものではないけれど、本当に演劇的に楽しかったです。昔の人もこういうのを見ながら社交っていうか、遊びを楽しんだのね、と思いました。だ、け、ど、やっぱり本番でも途中で2度ほどウトウトしそうになってしまいました。。。

今日はその仕事へ向かう途中ロイヤルアカデミー時代の旧友と数年ぶりに地下鉄でばったり。。。!抱き合って再会を果たしました。ベトナム人の彼女は私と同期でピアノ科を首席で卒業。イギリスに来る前は9歳で母国をひとり離れロシアに留学。アカデミー時代冬、誰かが”寒くて手が動かないから上手く弾けなーい。。。”なんて甘えたことを言っていると”あなた、ロシアの冬はもっと寒いのよ!”なんてお姉さんらしい口調で彼女が諭していたのを憶えています。そういえば、ロイヤルフィルのオーディションを受けたときの伴奏は彼女が弾いてくれたっけ。アカデミー時代の海外留学生で最終的にロンドンに残ったのは一握りで皆散り散りになりましたが、彼女とは数年に一回なぜかどこかでばったり会います。純粋で優しく温かな人柄の彼女は才能も実力もありますが、苦労もたくさんしていて、同じく外国という地で生きている一人として、彼女のことはどうしているかな、とふと思うことがあります。元気そうで嬉しかったです。私は仕事に遅れそうで慌てていたので”今度ゴハン食べようね、電話するから!!”と言って電車に飛び乗ったのでした。こんな風に時間などを超えていつも変わらぬ思いやりと尊敬、サポート、そして信頼をお互いに持ち合える友人が何人かいますが、彼らに会うといつも心が温かくなります。

# by shinko_hanaoka | 2009-06-20 06:57  

Hampton Court Palace

今月から8月半ばまでは夏特有の野外コンサートが時々入ります。この夏第一番の野外コンサートは先週の土曜日にヘンリー8世で有名なハンプトンコートパレス。6月と言っても最近すっかり冬に戻っているイギリス。先週の土曜日はその中でも特に寒く家でも暖房が入ったくらいです。毎年この時期ハンプトンコートパレスでは音楽祭が開かれていて、我々ロイヤルフィルも参加します。コンサート会場の中庭は城壁に囲まれなぜかたとえ暑い日でも風が吹いていて妙に寒く、楽譜を洗濯ばさみで譜面台に押さえながら格闘が続きます。譜めくりの際には一人が洗濯バサミをはずしページをパートナーに渡し、渡されたほうがそのページをまた洗濯バサミで譜面台にくっつける。それをやっている間にめくり終わった残りのページにもう一方が洗濯バサミをつける。これを楽器を持って弾きながらやるのです。パートナーと息のあった連携プレーが必要で、上手くタイミングが合わないとあちこちで弾いていない人続出ということになってしまいます。でも、洗濯バサミをつけないと楽譜が飛んでいってしまい、必ず舞台のどこかでそういうことも起こっていて野外コンサートはそれこそなんでもありのステージになります。木管、金管の人たちはパートナーがいませんから、これを全部一人でこなすのでかなり大変。洗濯バサミつけはずしの時間がなくて失敗して半分ひじで楽譜を押さえながら吹いているような光景もみられます。でも、皆手一杯でだれも助けてあげられないのですが。

しかし、なんと言っても野外コンサートで一番私がイヤなのは寒さ。おまけにハンプトンコートパレスコンサートは社交の場でもあるので休憩が異様に長い(1時間半)!この8年ロイヤルフィルに所属して以来、夏の野外コンサートで寒くなかったためしがありません。先週の土曜も上は3枚も重ね着したその上にコートを着て、下もズボンに厚手のタイツに靴下そしてブーツをはいて挑んだというのに、ここは北極か、という寒さ。手はかじかんで感覚もないのにむりやり動かしているみたいな状況で、鼻の頭も凍り付くように冷たくなりました。プログラムはバッハの組曲第3番、ヘンデルのMusic For The Royal Fireworks(日本語名がわかりません。。。)、そしてビバルディの四季。名曲アルバムみたいなプログラムですが、どれもそれは名曲。これで天気でもよければ場所ともマッチしてなかなか良いのでしょうが、とにかく寒くて寒くてそれどころではない! そんな中でビバルディの四季のソリスト、デービッドギャ○ットは笑顔を振りまき頑張っていましたが。風がぴゅーぴゅー吹いていて、さすがにお城に燃え移るおそれがあるということで、最後の花火は中止。イギリスの夏なんて暑いことの方が少ないのにこういう催しが結構たくさんあって、来るお客さまは気にならないみたいです。イギリス人って変なの。。。

そういう明日も違うプログラムでまたハンプトンコートパレスです。今日の空も相変わらずグレー。明日も寒そう。。。地下鉄ストライクもそのままだし、長い、寒いで三重苦だわ。

# by shinko_hanaoka | 2009-06-11 03:05 | ロイヤルフィル  

Rumi

今日は13世紀のペルシャの詩人、哲学家Rumiの言葉が心に留まりました。

’Don't grieve. Anything you lose comes around in another form.'

これは今の私にぴったりの言葉な気がします。そろそろ私も心の憂いを手放し前へ進んでいかなくてはいけません。手放して歩き出した瞬間に青空が開き始め、人生の贈り物が知らないうちに風のようにどこからか舞い降りてくるはずです。だからRumiの言うように悲しみすぎてはいけません。この世には苦痛から解き放たれ救われなくてはいけない人がたくさんいることでしょう。苦痛を手放した瞬間に風がまた入ってくるというのにそれが出来ない私たち。でも、いつかは皆そのときを迎え風を受けとめます。でも、その風はそのときだけ急に吹いたのではなく本当はずっと私たちの周りで吹きつづけていて、いつでも私たちの心に贈り物を届けようと待っている。だから私も心の憂いにしがみつかず、その風に目を向けて、そしてたくさんの贈り物を受けとめようと思います。

# by Shinko_Hanaoka | 2009-06-05 22:50 | その他