人気ブログランキング | 話題のタグを見る

チルドレンコンサート、マーラー、そしてドイツ

昨日は15時間労働の日で普通のコンサートに加え、チルドレンコンサートがありました。ロイヤルフィルには教育プログラムというチームがあり、普段から我々のコンサートとは別に様々な活動をしています。オーケストラのメンバーの何人かも音楽担当として常に参加していますが、このチームは普段はオケとは別個に活動しています。いろいろなプロジェクトがあり全国の学校と提携して取り組んでいるものや、刑務所や病院との提携など、様々。そして年に2、3度オーケストラ全体として関わるチルドレンコンサートというのがあります。このコンサートは必ず普通のコンサートがある日にプラスされるので、正直言って私たちは面倒くさい気分になるのですが、毎回やると楽しくってやる方も来た子供達、そのつきそいの大人達もご機嫌で終わるのです。ロイヤルフィルの教育プログラムチームは本当に素晴らしい人材が揃っていて、いつもこのチルドレンコンサートをやるとこのプログラムの充実度に感心させられます。1時間ほどのコンサートの中にはテーマがあり、それを音楽を通じて、耳で感じ、身体で感じ、目で感じ、心で感じ、身体の全ての感覚を使いながら自由に体験するようになっていて、想像力を刺激します。そんな様子を舞台から見ていると、結局人間って大人も子供も喜びや楽しさの原点って同じなんだな、と思います。普段大人はそれを隠してかなり大人のふりをしているだけで。そして子供の正直で素直な反応は毎回面白いです。そんな子供達の正直で素直なエネルギーは元気を与えてくれます。

そして今日はあさってからの5日間ドイツツアーのための7時間リハーサル。このツアーの指揮者はLeonard Slatkin。彼はアメリカ人ですので、ちょっと珍しいコープランドの組曲”アパラチアの春”なんていう曲も弾きます(私はコープランドってわりと好きですが、これ良い曲です)。今回のプログラムにはマーラーの5番が入っていて、ロイヤルフィルに初めてトライアルに来たときに(イギリスのオケにはトライアルというシステムがあってオーディションに受かっただけでは仕事をゲットしたことにはなりません。このトライアルという厳しく、場合によっては蛇の生殺し状態(!)のように長く続く試練を乗り越えたあとに栄光を得るのです!!)弾いた曲の一つです。それは幸か不幸かしょっぱなから過酷な3週間のGattiとのヨーロッパツアー。レパートリーは20曲にも及びその全てがマーラーやワーグナーなどハードなものばかりで、本当に緊張の連続で死ぬかと思ったことを憶えています。そのとき以外にもトライアルの一環で彼とは真夏のグラナダ、アルハンブラ宮殿内の野外劇場でもマーラー5番を弾いていて思い出深い曲です。Gattiの初めから終わりまで息をのむようなマーラーは素晴らしいですよ。近年ではオケのメンバーで私と仲のよかったSandyが3年まえ肝臓癌のため42歳の若さで亡くなったとき、彼女が亡くなる前の最後の数日ずっと聴いていたという、このマーラー5番の4楽章アダージエットを彼女のお葬式のときに皆で弾いたのが最後でした。それを思い出してアダージエットを弾き始めたら泣きそうになりました。。。

そしてあさってからドイツツアーです!

by Shinko_Hanaoka | 2009-05-12 08:50 | ロイヤルフィル  

<< ドイツツアー & Credit... Oh my God...それか... >>