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昔の友達

先日昔からの友人Nさんがロンドンにひょっこり現れ、久しぶりに会いました。彼女とは初めてロンドンに来た16年前に知り合い、イギリス生活の初め2、3年仲良く過ごしました。彼女はその後日本に帰り、時々一時帰国の際に会ったりしていましたが、ロンドンで時間を共に過ごしたのは久しぶり。

9つ歳が離れていることもあって、奨学金やら何やらで常に人のお世話になって暮らしていた私と違い、自分で働いたお金でイギリスに来て、その貯蓄が底をつくとこちらで住み込みのナニーをしながらヴァイオリンの勉強をしていたNさんとはお互い居心地がよくて一緒によく”ちんたら”したものです。彼女は育った環境も自分とは全く違うこともあって、彼女の人生の珍経験などいろいろな話も聞かせてもらいました。あれからかれこれ十数年。久しぶりに会った彼女は昔と変わらず人なつこく、そのときそのとき好きなことをしながら生きていました。

人間はオトナになると自分の人生に保険をかけだします。歳をとるということは、ある意味保険が必要になってくる、ということで、物事の判断の仕方がそういう軸になっていくことは自然といえば自然なのでしょうが、人生は保険をかけだすととたんにツマらなくなる!

Nさんとのひとときは人生になんの保険もかけていなかった、というより、そんな思考すら辞書になかった自由な時代を思い出させました。自由には代償が、なんて言う人もいるだろうし、それも一理あるかな、とも思うけれど、Nさんを見ていたらほんとはそんなことないんじゃないかという気がしてきました。そんな風に思うとしたら、どこかでまだ保険をかけたい人生を送っている証拠なのかも。

by Shinko_Hanaoka | 2011-10-16 08:10  

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