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Oscars for Orchestra

3日半のドイツツアーから帰ってきました。
この3日半の移動時間は最低でも1日5時間、それに加えてリハーサルと3時間のコンサート。最後の日などは移動時間が合計9時間(!)に及びさすがにへとへとでした。

今回のツアー内容は"Oscars for Orchestra"。夏になるとこういう軽い内容のコンサートばかりで私たちは皆辟易気味になるのですが、オスカー賞受賞映画の数々の音楽をナレーターを迎えながらコンサート形式で演奏していく、というもの。一日目は野外コンサートで、先週末に自分の今年の野外コンサートノルマは終わったと思い込んでいた私はまさに”やられた!”、でした。まさか、ドイツにきてまで野外コンサートとは。。。ドイツという国はイギリスと違って皆、コンサートにはやりすぎというくらいの正装で現れます。野外コンサートでも同じで、会場となった17世紀初頭に建てられたお城の横にしつらえられた野外舞台の回りにはビールやシャンペンバーがおかれ、イギリスの庶民的野外コンサートと違って高級感がありました。

2日目は高級スパリゾート地の絢爛豪華なバロック調のホールにて。ここでも皆どこかの舞踏会にでも行くようにドレスアップしたカップルでホールは満席。皆さんおなじみのあの映画20世紀foxのファンファーレで幕を開けるこのコンサート、最後のマイフェアレディが終わる時にはもう拍手の嵐にスタンディングオベーション。3日目はホースショーがコンサート開幕前に行われたあと、すぐ隣の馬小屋をこの企画のために改造したベンツ主催の音楽フェスティバル会場へと皆移動し、3000人がこのプログラムを楽しみ、大変な盛り上がりようでした。

こういうの好きなのはイギリス人だけかと思っていたけれど、ドイツ人も実はブルックナーよりゴッドファーザーやジョーズのほうが好きらしい。。。
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by shinko_hanaoka | 2009-07-27 08:20  

休憩のち/Hello again!

しばらく取り込み中ですっかりブログがお休みになったままでした。と言ってもその間仕事に行っていなかったわけでも、ライフが止まっていたわけでもございません。。。! この2週間の間にもバラエティに富んだ仕事をしていましたよ。

先々週は2日続けてロイヤルアルバートホールにて"British Insurance Award"と"British Fund Manager Award"というのがありました。これは一体何かというと、一夜目は保険屋さんの一年の業績発表の式典、二夜目はファンドマネージャーの同じく一年の業績発表の式典が、まるであたかもグラミー賞授賞式のようなきらびやかな形で毎年この時期に行われるのです。で、我々が何をするかというと、そのときの音楽係。それぞれの式典の司会者には有名なコメディアンやTVプレゼンターが選ばたりしていて、そこに私たちが音楽を添え、より華やかにするというわけです。お金のことや他の業界のことが全くわかっていない私には、ファンドマネージャーという人たちが一体何をする人たちなのかもよくわかっておらず隣の人に”ふぁんどまねーじゃーって何?”とマヌケな質問をすると彼女がキッとした目つきで”この国の経済を今のような状態にした張本人たちで私たちのテキよ!!”だって。それで、私はわかったようなわからないようなで”ふぅん”なんて言いながら”経済が悪いなんて言ってもまだお金があるところにはあるのね。。。”と思いながら辺りを見回したものです。

そして先週は前半がチャイコフスキーのバレエ”白鳥の湖”の音楽全曲の録音。音楽だけ聴きたい人なんているのかしら、なんて思いながら録音していましたが、ろくにバレエ自体を見たこともない私にでも弾きながらいろいろな踊りの場面が思い浮かんできました。変な言い方ですが、やっぱりチャイコフスキーって才能があったんだなぁ、です。バレエ音楽とは言え、どこにも無意味な音はなく、単なる踊りの伴奏などではありません。音楽だけでもとってもrich。そして私は、チャイコフスキー特有のgrandiosoなところよりもむしろ細かいちょっとしたところに、時に民族的、時に彼ならではのチャームをたくさん感じました。でも宇宙のように壮大な最後にはやはりグッときて"take 6"とか言って録っている録音なのに、弾きながらあたかもコンサート中のように感動してしまいました。。。

週後半2日間は野外コンサート。最近イギリスは寒くてどこでも毎日雨が降っています。こういうときの野外コンサートは本当にミゼラブル。最初のはイーストロンドンのショーディッジという地域の公園で。この地域は最近でこそトレンディな若者が住むようになり始めたものの、低所得者の多く住む地域でもあります。このショーディッジフェスティバルではそういう普段音楽会なんかに全く縁のない人たちにも来てもらおう、ということで入場料はフリー。普通野外コンサートというのは入場チケットが50ポンドくらいするので(弾いている私たちは50ポンドも払ってビニール袋かぶりなから雨にぬれに来るなんていう気がしれない、、、と内心思っているのですが。それほど野外コンサートは劣悪な環境になる場合がほとんどなのにチケットは決してお安くありません)、それ相応の客層になるのですが、このショーディッジフェスティバルは全然普段の雰囲気と違いました。指揮者が曲の説明の中で”バイオリンのソロと、、、”と言いかけるとどこからともなくおじさんの”ソロって何だ、何だ??”という声がきこえたりして、でも皆が心から楽しんで喜んで聴いている様子が舞台の上からでも熱いほどわかりました。主催者の女性が言っていましたが、この地域に住むほとんどの人たちはアルコール、ドラッグ、家庭崩壊、貧困と本当にたくさんの問題をかかえているけれど、1年に一回のこのコンサートを心から楽しみにしている、と。こういうコンサートはやりがいがあります。最後の方に誰かが”来てくれてありがとう!!”と私たちに向かって叫びました。こちらこそ、ありがとう。。。

昨夜の野外コンサートはRochester Castleで。中世に建てられたそびえ立つ要塞のお城をバックに雨にさらされ、強風にさらされ。。。楽譜は頭の上から振ってくるわ、コンサートが始まった瞬間から指揮者の楽譜は宙に舞うわ、おまけに最後にはソプラノオペラ歌手のドレスをテノールの男性がふんずけてしまい観客の前でそのドレスがビリビリビリッ。。。半分コメディみたいな世界でした。宙に舞った楽譜と共に幕を開けたコンサート。"Excellent, a good start..."と渋い顔をしながら独り言のようにつぶやく指揮者に、一番近くに座っていた私が無言でその床に落ちた楽譜を拾い手渡し、最後には花火が打ち上がり、これで私の今年の野外コンサートは全部おわりー!!! 本当は8月にもまだ3つあるのですが、残りは全てテーチョーにお断りさせていただきました。。。

今週はまたレコーディングと後半はドイツです。
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by shinko_hanaoka | 2009-07-20 06:55  

夏到来!

先ほどパリに住んでいる友人元気かな、と思い彼女のブログを覗いてみたら、パリも猛暑だそう。でも、ロンドンも負けてませんよ! 連日30度を越す陽気ですが、もともと夏でも涼しい国だったイギリスにはほとんどのコンサート会場はもとより地下鉄にも銀行まで冷房設備というものがありません。こういう時涼しくなりたかったら大手デパートにでも行くか、仕事なんてさっさと諦め公園に日光浴にでも行くしかありません。幸いちょうどこの1週間の仕事はほとんどがレコーディングで、スタジオはさすがに密閉空間なので冷暖房施設が整っているためスタジオ内では極楽極楽でしたが、外に出て地下鉄に乗ったりしようものならそこはいきなり摂氏45度の地獄。ただでさえ暑いのに皆様の体臭でよけい暑さが増す電車内。みんなホント、臭っさぁ。。。それでも、日本とちがって夕方過ぎると気温が下がってきて涼しくなります。昼間のうだるような暑さの中で仕事をして疲れきっていても、帰ってきて”魔法のヨガ”をすると、あーら不思議。すっかり私の身体は息を吹き返します。その後の夕食はやはり日本食。こういう季節の日本食のおいしさは身にしみます。。。!

5月に新天地を求めロンドンに引っ越してきて以来どこに行っても何を見ても”ロンドンイカしとる!”を連発しているMちゃんと、先日”幸せとはなんぞや”ということを話しましたが、大きな幸せってありソでなさソ。。。なんじゃない?ということ。確かに。。。なんて、私は個人的にはいわゆる大きな幸せ(サクセス?)というものを経験したことがないのでその実態は明らかではありませんが、なんとなくそうなんだろうな、と思います。何が幸せって、今日もみんなと仲良く楽しく仕事が出来て幸せ、練習が満足に出来て幸せ、勉強のために聴いていたバッハのCDで和音の進行があまりにも素晴らしくて感動して幸せ、ヨガやって元気になって幸せ、良い友達、仲間がいて幸せ、夕食に食べたざるそばが美味しくて幸せ、そして今これを書きながら窓から吹いてくる夜風が気持ちよくてシアワセ。。。小さなしあわせ大きなしあわせ。
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by shinko_hanaoka | 2009-07-05 07:19