カテゴリ:オフ( 3 )

 

ローマ男

昨夜は我々のホーム、カドガンホールにてアルベニスのスペイン音楽の夕べ。馴染みのないレパートリーでなかなか苦戦しました。。。後半は組曲からグラナダ、カディス、アストラス、エボカシオン、トリアーナ、マラガ、各地方にちなんだそれぞれのピース。よく消化されていれば興味深いのでしょうが、我々にとってはその地方の特徴がどこにあって、どこにそれぞれの違いがあるのかもよくわからにまま、なんか必死に弾いて終わってしまいました。隣の相棒とお互いに’明日のオフはちょっとまじめに練習しないと。。。’と言って昨夜はバイバイしたのであります。

そして今日は明日からまた10日間ほど続く仕事の合間の束の間の1日休憩。気分良く階下のキッチンでランチの支度をしていると、家に時々出入りするこれまたイタリア人のCがやってきました(イニシアルトークにしてみました。)。この人、むちゃくちゃ押しが強くてちょっと辟易するのですが、今日はいつもに増して強引。キッチンに入ってくるなりあの手、この手で私の気を引こうとします。まずは挨拶のキス。私がイヤそーにすると’君は挨拶のキスもしてくれないんだね’と来ます。それで、’日本では挨拶にキスはしない’と言えば、’じゃあ、君が挨拶にキスしてくれるようになるまでどのくらいかかるかな♡’といきなりすごい顔を近づけて言い寄ってきます。きっぱりと’最低3年はかかるな’と言ってそのすぐ後’とにかく私は失礼なヤツは大っ嫌いなの!’と言ってもものともせず、’でも君は僕のこの強引なところが好きなはず♡’、です。それで次にはいきなり、’それで、来週のデートのことなんだけど’と始めるので、私がまた半分キーッとなって’デートってなんのことだよ!!!’というと平然と’僕と君の’。デートのデの字も話したことない上に君と私は会ったのは今日でたったの2度目、それもたまたま偶然で!!!!! それなのに、’でもどっちかが決めないとさ、こういうことは’だって。でもそれはアンタが勝手に決めてるだけのことでしょ。。。 とにかくああ言えばこう言う、こう言えばああ言う、異様に至近距離に迫ってくるわで、終いには’とにかくほっておいて欲しいの!’と私が言っても通じているんだか、いないんだか。

’イタリア人はいつ死が訪れてもおかしくないという哲学を持っていて、だからこそ今日を生きる。自分の望みを先回しにはしない。それにイタリア男は自分の望みが何なのかはっきりわかっている’との賜り。聞きしに勝るラテン男です。。。

この家の住人に’イタリア男ってみんなあーなの?’と聞くと、彼ら曰くイタリアの中でも地方によって人々の特徴は全然違うそう。家の人たちは皆、トリエステ、ジェノアとイタリア北部出身でいわゆるラテンっぽいところはCに比べると比較的少ない気がします。彼らによるとCは典型的なローマ人。ローマの人間は皆あのように押しが強いっていうか、ちょっと傲慢というか、そういうキャラクターなんだそうです。そして皆それぞれの自分の地方のキャラクターに誇りを持っている様子が彼らの口調からわかります。ローマ人のこの気質は多かれ少なかれ長い歴史の中から生まれてきているのでしょうね。

さてと、そろそろ2時間煮込んだおいしいミートソースが出来上がるころかなー!

今日はこれから指圧整体のS先生のところへ行って気分が良くなった後は、友人映画音楽作曲家Y君が車で迎えにきてくれて彼とミーテイングと楽しみをかねたベトナム料理のディナー。これぞ正しい休日の過ごし方です!

PS ちなみに、最近この家の変さにも馴れてきていろいろなことがあまり気にならなくなってきました。馴れってコワい。。。
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by Shinko_Hanaoka | 2009-05-24 10:51 | オフ  

イースター休暇

先週の金曜日グッドフライデーにロイヤルアルバートホールでヘンデルのメサイアコンサート以来、ロイヤルフィルは1週間のイースター休暇に入りました。バロック音楽は心地よくおまけにメサイアは気が遠くなるほど長いので、前日地方公演からの深夜帰宅もあいまって演奏中途中うとうとしてしまい、二段くらいすっとばして弾いていて自分でびっくりして起きました。。。日曜は友人宅でラム肉のイースタートラディショナルランチに招待され夜遅くまでfeast timeを楽しみました。彼女の田舎の家へ誘われていてこの数日の束の間の休暇を田舎で優雅に過ごす、というチョイスもあったのですが、悩んだ末ロンドンに残ることに。何故かというと先週以来新居のもう一人の住人兼大家フランチェスコと協力して押し進めている、’パオロ教育’の成果を見守るというより見張る(!)ため。犬の訓練も赤ちゃんのパンツトレーニングも一緒である時期つきっきりで教育しないと身に付くことも身に付きません。。。!

ロンドンに残ったおかげで私は自分のやりたいことがはかどり、毎日かなりproductiveそしてluxuariousな日々を送っております。普段今日はここ、明日はあちらと動き回りコンサートを続ける毎日の中では、時間がとにかくなくて練習というものが全くできません。私にとって時間を気にせず自分のペースで毎日練習できることは、それこそluxuary,至福のときなのです。今日は昨日の続きで今秋東京で開くリサイタルのプログラムの中から(コンサート詳細は改めてお知らせさせていただきます!)、プロコフィエフ、ドビッシー、バッハを練習しました。今日の私の中でのヒットはダントツにドビッシー。ドビッシーのチェロソナタは12分と短いながら音楽的にも技術的にも大変高度なものが要求され必ず国際コンクールの課題曲に入る1曲です。ある時期私もコンクールのためによくこのソナタを弾いていましたがこの15年くらい一度も弾いておらず楽譜も奥底に埋もれていました。私はもともとフランスものはあまり血の中にないらしくてどうやって弾いてよいのかさっぱりわからず、15年前にしょっちゅうコンクールの準備のために弾いていたときも、とりあえずそれらしくも弾いていたしテクニック面はカバーしていたものの自分の中ではチンプンカンプンでした。それが、今回思い立って弾いてみたらもうとにかく素晴らしい。。。最近私も大人になったのか、はたまた毎日ロイヤルフィルのごちゃまぜレパートリー雑種生活の成果か。とにかく15年寝かせた甲斐がありました。15年後に弾いてみたら、全ての部分がピンときてぴしっとハマるようになっていて、フランス印象派絵画のような眩いばかりの色彩に弾きながらぞくぞくしました。このドビッシーとプロコフィエフのコンビネーションは、とても絵画的で私のイメージではモスクワのプーシキン美術館のコレクションを彷彿とさせます。去年ロイヤルフィルは夏と冬2回ロシアに行きましたがそのときのヒットがなんと言ってもプーシキン美術館。印象派のコレクションと”マチスの間”は特に素晴らしいです。見てる人もほとんどいないし。(ロシアは観るものがたくさんありますが、これは絶対オススメです)”マチスの間”にはマチスの使っていたパレットも展示してあり、その色のおかれているパレットに私は強いエネルギーを感じて絵以上に飽くことなく眺めたものです。単独の各色からこれらの絵、アートが生まれるかと思うと、そこにクリエイティビティそのものを見るような気がして、また、一つ一つの色からアートにジャンプするその中間にあるクリエイティビティの根本は、結局はひたすら自分の思うところを信じそれを追求することに尽きること。それをパレットに強く感じそのパワーから離れがたかったことを思い出します。

最後にバッハの6番も練習しましたがバッハはいつ何時でも、もう言う言葉がありません。そしてその後はヨガをして、と至福のときを噛みしめている私の心の平和を乱すのは。。。も、ち、ろ、ん、パオロ。

先ほどおやつをとりにキッチンに行ってふと私の野菜かごをみたら、タマネギが、ない。半かけになったタマネギが残っているほか残りは跡形もなくなくなっているのです。前からガーリックやタマネギが買っても買ってもよくなくなるな、とは思っていたのですが、たいして気にもとめていませんでした。でも今回はもう絶対にパオロの仕業。フランチェスコに”アナタ、私のタマネギ食べたでしょ”ってパオロに言ったらなんて言うと思う?と聞くと、多分”自分は2週間はタマネギは食べていない”とかなんとかウソつくと思う、とのこと。それでその後パオロに聞いたら案の定残った半かけのタマネギを手に取って眺めながら、しゃあしゃあと”このところ、トンとタマネギは食べていないなぁ”だって。でもアンタ、昨日の夕方スイミングに行く前にタマネギとトマトのパスタ、食べてたじゃん!!!これはタマネギの問題じゃなくてモラルの問題なんだ!

”Hi, ダーリン♡”なんて毎日上機嫌に言っているかと思えばウソもつく。。。なかなか手強いです。

そしてそんな一日も暮れ、夕方には、もやがかかったようなこの季節独特の空気に包まれ、今宵ロンドンは美しい春の宵です。。。
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by Shinko_Hanaoka | 2009-04-16 09:33 | オフ  

その他諸々 on the day off

昨夜は短い1時間コンサートを1時間の休憩をはさんで2度弾く(それぞれ違うプログラム)、というコンサートがロイヤルフィルのホームであるスローンスクエアにあるカドガンホールでありました。コンチェルト1曲に交響曲1曲×2で全部違う曲4曲。その前の晩はこのコンサートのスポンサーである実業家が我々全員をドーチェスターホテルの自分のレストランに招待して、ディナーパーティーがありました。それにごまかされて我々はすっかり良い気分になっていましたが、はっきり言って2度のコンサートを1回分のfeeで弾かされて全然お得じゃなかったじゃん、ということに後から気がついたちょっとおバカな結果でした。おまけに2つの交響曲は両方ともシューマンで普段の我々のレパートリーでは全くない上に、2回分コンサートをたった3時間の当日リハーサルで済ませようというものだから、その出来といったらもう*&^%$£@!?//+。そしてそれをやらされている私たちはもう必死どころではなく、瞬きする間もなく目を皿のようにして楽譜に食いついて舞台に立っていたのでありました。それで、私はふと”あー、そういえばまだ仕事を始めて間もないころは毎日がこんな感じだったなぁ”と妙な懐かしさを感じました。

ロンドンのオーケストラの仕事の仕方は過酷であることが有名で、またそれ故に非常にプロフェッショナルな仕事人集団であることも世界に知られています。しかし、オーケストラで弾くことに慣れておらず、またその大量なレパートリーにも馴染みの少ない初心者たちには本当に厳しい環境で、かつて初心者だった私も毎日が過度の緊張と過度のアドレナリン放出の連続でした。なにしろ毎日毎日全く違うプログラムを当日の3時間リハーサルだけで舞台に乗せられるのですから。そして毎日コンサートをしているということはその日のプログラムを事前に個人練習する余裕もほとんどないということです。ロイヤルフィルに入って最初の3年はほんとに大変でした。。。毎日舞台の上で弾きながら頭の中では”えーっ!!!!”、”Oh my God..."の連続。なんて言ったって3時間前までは聴いたことも、弾いたことも、見たこともなかった曲を舞台でなんとかそれなりのレベルで弾いてこないといけないわけです。本当に毎日崖っぷちのサバイバルです。ま、道理であの時期毎日身体の具合が悪かったわけですね。3年くらいするとだいたい一通りのレパートリーを憶えてきてそこまで毎日慌てなくても済むようになりますが、昨晩は久しぶりにそんなやばやば感一杯のコンサートでした(それもメンバー全員が。。。)。

その前の晩のドーチェスターでのパーティーはなんと言っても天下のドーチェスター。ということで一見の価値はあるかと思って行ってみました。ロビーのカフェやバーなんかもなかなか良かったですが、パーティーの後に行った隣のホテルのバーでも思いましたがお金で買うことのできる豊かさは本当に限られているということ。勿論人間皆きれいな場所に行くことや住むこと、おいしいものをいただくことや良いものを身につけることは気持ちのよいものですが、それそのものはそれ以上、以下にもなり得ないことをそれなりにお金のある場所にいくといつも認識させられます。

そして今日は久しぶりのオフ。4月に入ってロンドンはすっかり春です。天気がよいので近くのリージェンツパークに散歩に行ってこよっかなー!
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by Shinko_Hanaoka | 2009-04-09 07:34 | オフ