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Fledermaus

今週はヨハンシュトラウスのオペラ(というか、オペレッタ? ダイアローグが多くてオペラと言うよりどちらかというと演劇に近いので)、Fledermausをやっていました。オペラファンの方々には怒られそうですが、オペラは聴くのも、弾くのもあまり興味を持てないワタクシ。と言っても音楽的に充実しているワーグナーやリヒャルトシュトラウスなんかは弾いていて楽しいですが。今回はヨハンシュトラウス。特に歌手が入らないオケだけのリハーサルのときは、ウィンナーワルツとポルカのオンパレードみたいで、どう頑張っても注意散漫になって集中力が続かないで困りました。そのくせ、オペラは我々はたいしたこと弾いていないのにテンポチェンジが激しかったりで気が抜けません。そんな私的には”つまらない”モードでしたが、歌手が入ったら、なかなかエンターテイメント性があって面白かったです。

それにしても、オペラ歌手って芸達者だわ。私は同じ音楽家だけれど、演技はできないもんね、それもあんなに上手に。夫婦がそれぞれ浮気をしてその一騒動コメディ、というたわいもない筋書きに、このたわいもない音楽、内容的にどうというものではないけれど、本当に演劇的に楽しかったです。昔の人もこういうのを見ながら社交っていうか、遊びを楽しんだのね、と思いました。だ、け、ど、やっぱり本番でも途中で2度ほどウトウトしそうになってしまいました。。。

今日はその仕事へ向かう途中ロイヤルアカデミー時代の旧友と数年ぶりに地下鉄でばったり。。。!抱き合って再会を果たしました。ベトナム人の彼女は私と同期でピアノ科を首席で卒業。イギリスに来る前は9歳で母国をひとり離れロシアに留学。アカデミー時代冬、誰かが”寒くて手が動かないから上手く弾けなーい。。。”なんて甘えたことを言っていると”あなた、ロシアの冬はもっと寒いのよ!”なんてお姉さんらしい口調で彼女が諭していたのを憶えています。そういえば、ロイヤルフィルのオーディションを受けたときの伴奏は彼女が弾いてくれたっけ。アカデミー時代の海外留学生で最終的にロンドンに残ったのは一握りで皆散り散りになりましたが、彼女とは数年に一回なぜかどこかでばったり会います。純粋で優しく温かな人柄の彼女は才能も実力もありますが、苦労もたくさんしていて、同じく外国という地で生きている一人として、彼女のことはどうしているかな、とふと思うことがあります。元気そうで嬉しかったです。私は仕事に遅れそうで慌てていたので”今度ゴハン食べようね、電話するから!!”と言って電車に飛び乗ったのでした。こんな風に時間などを超えていつも変わらぬ思いやりと尊敬、サポート、そして信頼をお互いに持ち合える友人が何人かいますが、彼らに会うといつも心が温かくなります。

by shinko_hanaoka | 2009-06-20 06:57  

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