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ドイツツアー & Credit Crunch

5泊6日のドイツツアーから昨日戻りました。今回のツアーは移動時間も平均的で特に大変ではなかったものの、やはり毎日4、5時間あまりの移動を続けながらリハーサルとコンサートを繰り返す毎日は疲労が蓄積します。特に大陸ヨーロッパではコンサート開始時間が遅いですから(ドイツは8時開始。イタリア、スペインにいくと9時または10時開始という場合もあります)、ツアー中は慢性睡眠不足、故に慢性疲労と戦いながら毎日の強行軍が続いて行きます。肉体的にはハードですが、ツアーに出ると普段の日常から全く遮断されるので精神的ストレスはその分ゼロに近いですが。その慢性睡眠不足、疲労を今日と明日のオフで回復させます! 昨夜は前の晩が睡眠時間3時間ということもあり、相当疲れていたようで12時間も寝てしまいました。。。!

さてこのツアーは去年から世界を騒がすCredit Crunchの影響が見られました。もともと8カ所でのコンサートが予定されていましたが、3カ所がキャンセルとなり、ツアーも短くなりました。その分経済的に大変になったのでしょう。ホテルもワンランク下がりかなりベーシックなホテルに滞在しました。それに加えオケの編成が小さくなり、木管セクションはいわば皆がソリストですからそこを削るわけにいかない分、しわ寄せは弦セクションにきてチェロセクションもマーラーだというのに8人だけで弾きました。マーラー5番チェロ8人は結構きついですよ。普通12人、最低でも10人ですから。かの有名な4楽章アダージエットはセクションが二手に分かれるのですが、あのトップラインのメロディを弾くのが私を含め、たったの4人。初めのコンサートではトップライン6人、ボトムライン2人でやったのですが、やはりどうにもこうにも下が弱すぎてバランスが悪かったので半々にすることに。花形のトップラインが4人というのは寂しい気がしましたが、結局それに落ち着きました。経済事情により弦セクションを削減するということについては先日のオーケストラミーティングでも問題になっていました。このような経済事情の中でオケの資産をどこに投入するべきか又はしないべきか、ということですね。ま、そんな世界事情が反映されつつも、ロイヤルフィルは常に笑いとユーモアの精神を忘れません。このCredit Cruchに関係なく、オケの存続をかけて常に戦っているロイヤルフィルの胸をはって世界に誇れるクオリティとは、この精神にあります!今回のツアーもご多分に漏れず様々な場面でへんちくりんな状況はたくさんありましたが、それも、いと可笑し、です。

by Shinko_Hanaoka | 2009-05-20 09:04 | ロイヤルフィル  

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